岡崎慎司が語るハリルJ「勝つためには今の戦い方は捨てられない」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 FW久保裕也(ゲント/ベルギー)ら若手の活躍があって、中堅はもちろん、ベテランもうかうかしていられない状況になっているが、岡崎はゴールを決めたことで、代表の中での自分のポジションを取り戻すきっかけをつかんだようだ。

 一方、チームはどうだろうか。

 最終予選後半戦のスタートとなる、今回のUAE戦とタイ戦は絶対に負けられない試合だった。アウェーのUAE戦では理想的な勝利を飾ったが、タイ戦ではミスが目立って相手に押されるシーンも多かった。結果は大勝でも、内容的には今後に向けて不安の残るものとなった。

「予選では勝ち切ること、こういう(タイ戦のような)サッカーになっても、結果を出して(予選を)突破していくことが何より大事。ただ、チームにはもっと成長させていかなければいけないことがある。選手は、もっと判断を速くしないといけないし、もっと組織的に戦わなければいけない。今は個の力だけで戦っているので、そういう部分では物足りない面がある」

 W杯予選では、第一に勝つことが求められる。しかし同時に、チームの完成度を高めていくことも重要な作業となる。

 例えば、ザッケローニ監督時代は、メンバーをほぼ固定して予選を戦った。そうすることで、選手間の連携により磨きをかけ、チームとしての完成度を、1段でも2段でも上げていこうという狙いがあった。その結果、主力選手たちの能力が高かったこともあり、チームの完成度は最終予選時には「史上最高」と言われるほどのレベルまで上がった。そして、難なくW杯の出場権を獲得した。

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