ツッコミどころ満載のタイ戦。チグハグなハリル采配が悩みの種に (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 梁川 剛●撮影 photo by Yanagawa Go

 これだけミスをすれば勝てない。

 普通なら、そんな言葉で振り返らなければいけなかったはずの試合である。幸いにして大事には至らなかったが、昨年10月のイラク戦(試合終了間際のMF山口蛍のゴールにより、2-1で辛勝)に勝るとも劣らないほど内容は酷かった。

 とはいえ、不安を感じた点はそれだけではない。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の選手起用にも、疑問を抱かざるをえないものが多かった。

 まずは、DF酒井高徳のボランチ起用。ビルドアップがノッキングし続けた原因のひとつが、ここにあったことは否定できない。いくら所属クラブでは務めたことのあるポジションだとはいえ、チームが変われば役割も変わる。それをいきなり公式戦で、しかも攻撃的に進めて大量得点がほしい試合で、というのは無理があった。

 昨年9月のUAE戦でMF大島僚太をボランチ起用したときもそうだが、ハリルホジッチ監督は事前に"慣らし運転"する機会を与えず、新しい選手を(酒井高の場合は新しいポジションで)突然先発起用する。もちろん、先日のUAE戦のMF今野泰幸のように望外の成果を生むケースもあるが、一般論で言えば、その確率のほうが低い。

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