ツッコミどころ満載のタイ戦。チグハグなハリル采配が悩みの種に (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 梁川 剛●撮影 photo by Yanagawa Go

 タイ代表のキャティサック・セーナムアン監督が「プレーの質の差」を敗因に挙げたように、両チームの間にある選手個々の実力差は大きかった。その結果、日本は失点することはなかった。だが、日本の4つの得点シーンを除けば、試合内容で上回っていたのは、明らかにタイのほうだ。

日本はミスが目立ち、タイに何度となく決定機を作られた日本はミスが目立ち、タイに何度となく決定機を作られた「自分たちで自分たちを苦しめてしまった。4-0で勝ったが、気持ちよく終われた印象はない」

 険しい表情でそう語ったDF森重真人は、「もっと(ボールを)動かしながら前(へのパスコース)を探して、いいタイミングで(縦パスを)入れたいが、探している時間が多かった」と振り返る。

 先制点がそうだったように、1本の長いパスでシンプルに相手の背後を突く攻めは、それなりに形になった。森重も「(相手の背後は)最初に狙うべきところ。ボールを奪ったあと、すぐにそこを狙うことは意思統一できている」と話す。

 しかしその一方で、「90分間、それだけだと体力的にキツい。落ち着く場面も必要」だと森重。にもかかわらず、「自分たちがボールを保持しているときに(攻撃が)スムーズにいっていない」。結局、日本は効率よく得点を重ねていたにもかかわらず、実力上位の余裕は最後まで見られず、まったくと言っていいほど落ち着く時間を作れなかった。

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