引きこもるタイを釣る。日本代表は「ブラジル戦の撒き餌」を思い出せ

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 本当に、楽な相手だろうか――。ロシアW杯アジア最終予選で、まだ1勝もしていないタイ代表のことである。3月28日、ハリルジャパンはこのグループ最下位のチームを埼玉で迎え撃つ。

タイ戦では「主導権を握る」と意気込む香川真司タイ戦では「主導権を握る」と意気込む香川真司 昨年9月に開幕したアジア最終予選。UAEとの初戦を落とす最悪のスタートだったが、11月にグループ首位のサウジアラビアを2-1と撃破すると、3月23日にはアウェーでUAEを2-0と下し、リベンジに成功。最終予選のなかばを迎え、チームは調子を上げてきた。

 次のタイ戦は、5万人以上のサポーターの後押しを得られるホーム、埼玉スタジアムでのゲームなのだ。負ける相手ではない――そう考えるのが普通だろう。

 だが、自信が慢心に変わり、油断につながれば、落とし穴にハマってしまうのが勝負の世界の常でもある。

「(UAEにいい勝ち方をして、次は最下位相手にホームでの試合となると)緩くなるよね。それは危ない兆候なので、思った以上に締めたほうがいいと思います。思った以上に難しい試合になると思って、基本的なところから入ったりするのが大事。簡単なパスを簡単にするとか。ちょっとおしゃれに2人抜いてやろうとかってことじゃないと思うんですよね。タイはけっこうやるからね」

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