2017.03.25

「海外組好き」のハリルも改心。
今野泰幸がJリーグの価値を証明した

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi


UAE戦の勝利に大きく貢献した今野泰幸「最近のガンバでの3試合で今野がどのようなプレーをしたのかを追跡し、アイデアが湧いた」

 ハリルホジッチ監督もそう語っていたように、日本代表はガンバの中盤で出色の働きを見せる"闘犬"を、中盤の選手の配置を変える(ボランチ2枚+トップ下という三角形から、アンカー+インサイドMF2枚の逆三角形へ)ことによって、ガンバでの役割そのままに取り込んだ。その結果、「今野はほぼ完璧なプレーをした。ボールを奪いながら、しかも点まで取った」(ハリルホジッチ監督)。

 もともと最短距離で一気にボールとの距離をつめるアプローチの速さには定評があった今野だが、ボランチやセンターバックに入ると、後ろにも注意を払わなければいけない分、どうしても前への積極性を抑えなければならなかった。だが、後ろにアンカー(ガンバでは遠藤保仁、日本代表では山口蛍)が置かれることで、今野は体のなかの本能が目を覚ましたかのように、思い切って前からボールに寄せ、奪いにいくことができるようになった。

 しかも、ガンバでのプレー同様、ただボールを奪うだけでなく、奪った勢いを攻撃の推進力に変えることもできていた。タイミングのいい攻め上がりは、ゴールを決めた後半だけでなく、前半からも見られていたものだ。彼が日本代表にもたらしたものは、決して守備の安定だけではない。