「海外組好き」のハリルも改心。
今野泰幸がJリーグの価値を証明した

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 美しい勝利。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はそんな言葉で、W杯アジア最終予選のUAE戦を振り返った。

 昨年のホームゲームではUAEに敗れていること。敵地に乗り込んでのアウェーゲームであったこと。グループ首位サウジアラビアがタイに勝利し、すでに勝ち点を伸ばしていたこと。そうした要素を並べて考えれば、確かに貴重な勝利ではあった。

 ただ、美しい勝利や完勝といった表現にはやや抵抗を覚える。

「UAEがどのような戦術を使うか全部把握し、1カ月間準備してきた。選手たちは攻撃においても、守備においても、どのゾーンで、どの瞬間に、何をするか。すべてを完璧に、しかも短い(準備の)時間でやってくれた」

 ハリルホジッチ監督がそう語り、胸を張ったように、日本は相手のキーマンである「21番」のオマル・アブドゥルラフマンを封じることには成功した。

 オマルの対面となったDF長友佑都もまた、「僕の役割はオマルをしっかり抑えることだった。何時間もミーティングをし、僕らも(選手同士で)議論した。今回は(戦術的な狙いが)ハマった。監督が言ったことを集中して実行した」と振り返る。

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