UAE戦の勝因は謙虚なプレーと今野泰幸。日本代表にスターは不要だ (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 4-2-3-1の2でゲームを作るのが今日的なチームだとすれば、長谷部と山口が2を務める日本の4-2-3-1は古めかしいサッカー。長谷部が欠場する今回、山口と組ませる相手探しは、そうならないような選手で。もし今野を使うのなら4-3-3への布陣変更を考えるべし――と、筆者は試合前に書いたものだが、奇しくもハリルホジッチはそれと同じ方法論を採用した。

 山口をアンカー、今野を右のインサイドハーフで起用する作戦は奏功した。とりわけ今野が持ち味を発揮し、2点目のゴールまで奪うおまけ付きの活躍を演じたことは大きな勝因であり、収穫のひとつになる。

 長谷部と今野。これからこの2人の関係はどうなるのか。33歳と34歳。同じポジションに大ベテラン2人を同時起用するわけにはいかない。ハリルホジッチが今後、両者をどう扱うか。興味深い。

 焦りの色が濃くなり拙攻を繰り返すUAE。日本はいいムードで終盤を迎えた。後半33分。ハリルホジッチは、そうした中で本田をピッチに送り込んだ。活躍の久保に代えて。

 それ、どうなの? と首を傾げたくなる交代だった。それならば他の選手に出場機会を与えるべきだと思う人は多いはずだ。勝利に水を差した感、なきにしもあらずの交代だった。

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