北川ひかる、ほろ苦いなでしこデビュー戦も「自信を持って帰りたい」 (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

「やっぱりもっと攻撃参加したかった。なでしこジャパンとして戦って、世界のレベルは本当に高いんだということを改めて感じましたし、今のままでは絶対に世界で優勝なんてできないんだと思いました」――。そう、彼女の目標はなでしこジャパンとして大きな大会で決勝の舞台に立つことなのだ。

 その想いは、2014年のFIFA U-17女子ワールドカップ初優勝の経験から来ている。当時から左サイドバックとして躍動していた北川は、準決勝での接触プレーでドクターストップがかかり、決勝をピッチの外から見つめていた。そしてU-20世代でもあと一歩のところでその想いが叶えられることはなかった。夢を現実にするため、北川はこのアルガルベカップで、なでしこジャパンとしてのスタートを切った。

「この大会で自信を持って帰りたいんです」

 北川の表情にもう迷いは感じられない。誰もが通る代表デビュー戦。この90分間をいかにして戦い、貢献したか――。抱く実感によって、その後のメンタルに多大な影響を与える。厳しい試合ではあったが、その中でも北川は何かを掴んだ。次のチャンスが巡ってきたとき、北川はどのような変化を見せてくれるのだろう。

■なでしこ 記事一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る