前園真聖が語る日本代表。「本田、長友は大丈夫だけど、香川は心配」 (4ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo


 ハリルホジッチ監督はアジア最終予選の前半戦最後の試合となった11月のサウジアラビア戦では、代表の主力であってもコンディションの悪かった本田や香川をベンチに置いて勝利に繋げました。こうした選手起用は再開される3月からのW杯最終予選でも続くと思います。
 
 これは本田や長友よりも年齢が下の世代の選手たちにとってはチャンスです。主力組がいいパフォーマンスを発揮できない時に、力を証明してポジションを奪う。本来ならば、これまで何度も代表でチャンスを与えられてきた宇佐美貴史(アウクスブルク)、柴崎岳(テネリフェ)、柿谷曜一朗(C大阪)などの24、25歳の選手たちがポジションを奪っていてもおかしくないのですが、彼らはそれができなかった。「代表」という場は若手を育てるところではないので、これから先にチャンスが何度あるかわからない中で、与えられた機会を逃さずに若手は自分の力を見せる必要があります。

 また、そうやって力で追い落としてポジションを手にした若手が、経験を積みながら自分だけのプレーではなく、しっかりとチームをまとめたり、メディアに対しての振る舞いであったりの重要性に気づいていき、リーダーシップを執るようになってもらいたいと感じています。

 一方で、チームには経験値が高いベテラン選手がいないとまとまりを欠きます。2006年W杯ドイツ大会時の日本代表は、フィールドプレーヤーの最年長が29歳のヒデ(中田英寿)でした。現地で取材をしていて、ヒデよりも年上のベテランがいないことでチームがまとまらない様子を目の当たりにしました。それだけにベテランの存在は重要です。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る