新生なでしこで、宇津木瑠美が願うこと。「もう一度、あの熱い思いを」 (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 宇津木は昨年11月に、古くから痛みを訴えていた右足にメスを入れた。

「第五中足骨の疲労骨折。サッカー選手によくあるケガですね。ただケガしたのが北京オリンピックの頃でちょっと放置しすぎました(苦笑)」

 どうやら、彼女は類まれな辛抱強さも持ち合わせているようだ。ここで思い切って治療を選んだのは残りのサッカー人生を思ってのこと。彼女にはどうしてももう一度抱きたい感情がある。

「なでしこジャパンとして、これから結果を求められていく。新しいチームを積み上げていく中で『お前たちのミスは私が守る、守りたい』と思える自分でいたい。誰かのミスが私のがんばりで帳消しになることもあるので。例えば監督のために勝ちたいとか、支えてくれる人たちのために今日の試合で私は勝ちたいんだとか、そう思えるような自分でいたいっていうのがすごく強いんです」

 宇津木が触れてきた北京、ロンドン、そしてリオデジャネイロを目指していたチームにはその熱さが常にあった。

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