新生なでしこで、宇津木瑠美が願うこと。「もう一度、あの熱い思いを」 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

「若い選手がどんどんチャレンジして、自分たちが調整していくチーム作りをするのか、できないことが出ないようにできることで補おうっていうチームにするのか。それを選択するにも国際試合をどんどん経験していかないといけない。できないことにトライするよりは、できることをどんどんして伸ばしていって、攻撃は最大の防御になるようなチーム作りに徹底したほうがいいときもあるだろうし。ただ、同じ展開の試合にならない方がいい。0-0なのか、負けるにしても1-2で負けるのと0-5で負けるのは全然違う。自分たちの強み弱みを探すものにしないとダメ。弱みを隠しながら強みを出せないっていうのが一番イヤですね」

 高倉ジャパンが発足して1年を迎えようとしている。U-20女子ワールドカップが終わり、ようやく若い戦力が出そろった。このアルガルベカップでは選手の見極めもさることながら、チームの基礎となるものを形成できなければ、焦燥感が生じる可能性は高い。そこで重要になってくるのが宇津木のような経験豊富な選手の存在だ。

「フル出場することの重要性はわかっています。でも、5分10分で流れを変える選手も同じくらい価値がある。負けてるときに入る選手の価値も、残り5分で守りきらないといけないときに入る選手の価値も、90分出る選手の価値も同じくらい重要なんです。今は自分が自分の評価を求めるよりは、日本が世界から見て、いいチームだなって思われる中に自分がいられるようにしたい」

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