日本、欧州、米国を知る宇津木瑠美が語る、プロの女子サッカー選手とは (2ページ目)

  • 取材・文・撮影●早草紀子 text&photo by Hayakusa Noriko

 宇津木は10代の頃から、なかなか結果が出せない代表での厳しさを肌で感じていた。それでも10年以上をかけて、なでしこジャパンを形作ってきた自負もある。しかし、これからのなでしこは、ここまでの月日を費やすチーム作りは不可能。3、4年というスパンで作り上げなくてはならない。自分のすべきことが見えなくなっていた。

「それこそ何から始めたらいいの?って思いました。私に何ができるのか、何をしたいのか。今の日本の強みがわからないから、その中で自分の色を探せなかったんです」

 その中で宇津木のサッカー環境は、フランスからアメリカへ移っていた。

「年齢も重ねて、短いサッカー人生だから動けるときに動きたいという気持ちはありました。海外で自分の存在感や、スタイルを確立しているつもりだったので、それをフランスで突き詰めるのもひとつだと移籍を決めるギリギリまで思っていたんですが、人生にスパイスを効かせたいっていうのもあって(アメリカ行きを)決めました」

 奇しくも日テレ・ベレーザ、モンペリエともに移籍を決断した時期は在籍6年目。これが彼女の周期なのだろう。成長期を過ごしたフランスで得たものは大きい。

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