永里姉妹がお互いを語る。「W杯エクアドル戦は姉として妹をフォローした」 (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

――その試合ですよね。亜紗乃さんが思い描いていたスルーパスを優季選手に出せたと言っていたのは。

優季 なんか体が勝手に反応してたって感じだったね。

亜紗乃 あのときはコンマ何秒かしかお姉ちゃんの姿見てない。すぐに(パスを)出したから。でも、小さい頃から私が先にパス出す感じだったよね?

優季 そうだね。

亜紗乃 私は「ここ空いてるでしょ」って思って先にパス出すから。お姉ちゃんは小さいころから足速かったし、これで行けるでしょって。

優季 いつもギリギリだったけどね。鬼パス......。

――でも亜紗乃さんはそうは思ってない、と。

亜紗乃 ですね。スタートが遅いんだよ、くらいかな(笑)。でも、これまでのサッカー人生でもあれだけのスルーパスは出したことはないかも。

優季 こっちもそのパスを狙っているから、そういう動き出しをするしね。

――エクアドル戦はすごく楽しかったんじゃないですか?

優季 楽しかった! 15分くらいだったけど。

亜紗乃 すぐ終わっちゃったもんね。

――これからどんどん一緒にプレーできると思っていた矢先、亜紗乃さんの引退ということになりました。姉としてはどの感情が一番大きかったですか?

優季 亜紗乃が、やっと楽になれるのかなって。膝の状態が悪い中、それでも復帰しようとしていたのを見ていたし、それでチームのスタッフとかとのコミュニケーションもうまくいってなかったりとか......。ただただつらい思いしかなかったから、ホッとしたっていうのが大きかったかな。無理にがんばれっていうことも言わなかったし......。

亜紗乃 ヤバい......泣きそう......。

優季 あははは(笑)。なんでなんで? そんなところあった?

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