新生なでしこの要・熊谷紗希「同世代で固まるなんて、私がさせない」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 チームでも目指しているように、強みはあればあるほどいい。熊谷のその姿勢はなでしこジャパンに戻っても変わることはない。と同時に今は結果を出すことで、チャレンジするメンタルを保持しなければいけない難しい時期でもある。

「リオを逃したことで本当に何もなくなった。完全にチャレンジャーに戻った。負けてよかったとは絶対に思わない! けど......いい意味でのリセットにしなきゃいけない。本当にゼロからのスタートだから。スウェーデン遠征では負けてしまったけど、勝つためだけのサッカーをしていたら、あれだけの収穫というか、希望は見つけられなかったと思うんです。でも、代表としては勝たないといけない。今の状況だと今後もそれは続くはずです。U-20世代の活動も終わって、これから新しい選手もどんどん入ってくる。まずは3月のアルガルベカップをどう戦うかですね」

 ようやく横一線のチーム作りが本格化する2017年。新たな抱負を語る熊谷からは、なでしこジャパンを支える覚悟が伝わってきた。進化を続ける熊谷が、不動のCBとして最終ラインを固めるのか、それとも目下ヨーロッパで奮闘中のボランチとしてその能力を開花させるのか、はたまたその両方か。まだまだ右肩上がりの成長を見せる熊谷の生かし方次第でチームカラーも大きく異なるだろう。高倉監督の手腕と、大きく化けそうな熊谷のプレーに期待したい。

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