新生なでしこの要・熊谷紗希
「同世代で固まるなんて、私がさせない」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「ポジションとしての役割がある中で、勝つためには、自分がもっとどんなことをしていかなきゃいけないのか、チームの中でやれることをもっと増やさないといけないとか、なでしこに戻る度に課題は増えていくんですよ、毎回。自分にこういうことができたら、チームが勝てるようになるかもしれないって欲が出てくるんです」

 そのなでしこジャパンも今、大きく生まれ変わろうとしている。リオデジャネイロオリンピックの出場権を逃したショックが癒えないままに、新生・高倉麻子ジャパンは6月にアメリカ遠征に臨んだ。2020年の東京オリンピックを見据え、若手も多く招集されたことで、熊谷も中堅選手へと押し上げられ、自然に何かと求められる立場になった。

「全員がフランクに話せるほうがいい。若手に意見を言っていいよって言ったって、簡単に言えるものでもない。でも高倉監督は私たちに対してフラットでいてくれるから、私たちもフラットでいたい。そういったことで生まれてくることってたくさんあると思います。サッカーの面ではもう本当にプレーで示すだけ。あとはいろんな人と話すこと。わざわざ聞きに行くことはないけど、遠征ではいろんな人と話すような部屋割りになるから、そこは自然に」

 けれど、若手からは積極的にどんどん聞きに来てほしいというのが本音だ。

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