ヤングなでしこが目指すは東京五輪。「この3位はあくまでも通過点」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 序盤こそアメリカに攻め込まれたが、要の不在を感じさせない守備陣の奮闘で落ち着いてやり過ごすと、日本は持ち前の運動量でパスを組み立てた。

 17分、杉田妃和(ひな/INAC神戸)がボールを受けた瞬間にアイコンタクトを取ったのは籾木。そこからピタリと足元につけた籾木がすかさず長谷川唯(日テレ・ベレーザ)へ。フィニッシュまでは至らなかったが、いいスイッチだった。

 続く21分には守屋都弥(みやび/INAC神戸)のスローインから籾木が中へ折り返し、そこへ走り込んだ隅田凛(日テレ・ベレーザ)がシュート。34分には守屋からのパスをオーバーラップした宮川が中央へ、そこに長谷川が合わせた。いずれもゴールが生まれても不思議がないタイミングだったが、すべてクリアされてしまう。完全に主導権を掌握しながら崩しきれない前半が終了したとき、アメリカのフレンチ監督は満足気な表情で選手を迎え入れていた。

 高倉麻子監督が先制点を奪うために先に動く。後半開始から上野真実(愛媛FC)を、59分には松原志歩(セレッソ大阪堺)を投入し、勝負をかけた。

 しかし、アメリカは攻撃をカウンターに絞り、守備ではバイタルエリアに侵入するまでサイドへのチェックに人数を割かず、日本が狙うDF裏のスペースのケアを重点的に手厚くする。さらにこの日のGK マーフィーは反応が冴え渡っていた。

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