2016.12.01

ヤングなでしこ、世界一ならずも
手応え十分。このチームは戦える!

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 あまり敗戦を知らないこのチームの中で、個人として振り返れば、長谷川は苦労人のひとりだ。15歳で選出された2012年のFIFA U-17女子ワールドカップ(アゼルバイジャン)では、実感もないままにベスト8で大会を終えた。

 飛び級で挑んだ翌年のAFC U-19女子アジアカップでは、まさかの4位に終わり、世界大会の出場権すら逃した。そんな経験を経て、2014年のFIFA U-17女子ワールドカップ(コスタリカ)で本来の世代に戻ってきた長谷川は”世界一”を体験することになるのだが、19歳の若さで、頂点の喜びと、敗退の悔恨の双方を知る長谷川の存在は大きい。

「負けはしたけど、前半の戦い方はしっくりきていた。次はあれを90分やり続けたい」とチャンスメイカーはすでに前を向いていた。

 フランスは、大会屈指のスピード攻撃と鉄壁の守備力を兼ね備えたチームだ。日本のパスサッカーとの対決は、随所に戦術のぶつかり合いがあり、見るものを楽しませ、また選手たちも互いの駆け引きを心から楽しんでいるように見えた。

 確かに、フィジカルの差による問題を打開し切れていないことも事実だが、それを含めて「高い技術、戦術眼、判断力を上げていけば十分に対抗できる」と、指揮官は確かな手応えをつかんでいる。

 日本が乱れた2分間で勝負を決したフランスの試合巧者ぶりには脱帽だ。しかし、これだけバランスの取れたフランスが24ものファウルを犯さなければならないほど、日本の攻撃や守備は脅威だったと言える。願わくば、このカードを決勝の舞台で見たかった。そう思えるほど、見応えのある120分間だった。

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