「誰が出ても強い」ヤングなでしこ。1位でU-20W杯の決勝T進出 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 前半の流れを途切れさせなかったのは最年少・林穂之香(セレッソ大阪堺)のゴールだった。47分、籾木のクロスこぼれを上野がキープし、後ろへ流したところを林が鮮やかに決めた。初戦は右サイドハーフで途中出場。初のワールドカップの舞台と、慣れないポジションに戸惑った。

「次のチャンスではゴールに向かってシュートを放つ!」と誓った通りの林のゴールで、日本の攻撃はさらに加速していった。51分には籾木、上野とつなぎ、最後は長谷川がわずかなタッチから軌道を変えて技ありのゴール。73分には杉田妃和(ひな/INAC神戸)がトドメの一発を放って日本は5-0でカナダを下した。

 日本がイニシアチブを取れた要因のひとつは、一人ひとりのプレスの出足が速くなったこと。それに伴い失われていた連動性がよみがえり、攻守にわたって波及効果を広げていった。前後半に、1本ずつ見舞われたカナダのカウンターに対するDF陣の動きはその成果だ。ミス絡みのピンチにも複数枚でしのぐ。攻守双方において相手をはがしながらパスを受ける動きは、まさにこの3日間で再確認してきたプレーだった。

 そしてもうひとつは右サイドの活性化だ。ここまで左サイドはバックに北川ひかる(浦和レッズL)、ハーフに長谷川と固定メンバーで攻撃機会を量産してきた。比べて右サイドは大会直前に清水梨紗(日テレ・ベレーザ)がケガで出場を断念せざるを得なかったことで、初戦からメンバーが激しく入れ替わっていた。

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