U-20W杯スペイン戦の敗戦は、
ヤングなでしこ世界一のための授業料

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「球際で負けてしまっていた」と悔しさを滲ませた隅田。それでもプレスをかいくぐりながら、相手DF裏を狙うボールを配給するなど、もがきながらも活路を見出そうとしていた。

 高倉麻子監督は日ごろから、「個でダメだから組織力に逃げることはしたくない」と話している。隅田もそうやって個を上げてきた大会だっただけに、対応できなかったことに反省しきり。個で対応できない時間帯があれば、そこは組織力で補ううちに再び個が生きてくることもある。何より、隅田は"敗退"がもたらすその後の苦しみを知っている。いま一度、目指すべき形を見つめ直すときに、彼女のような存在は貴重だ。

 日本の敗戦と、ナイジェリアがカナダを下した結果を受けて、グループBはノックアウトステージ進出国決定が最終戦にまでもつれ込んだ。日本が次のカナダ戦で勝利し、上り調子のナイジェリアがスペインを下すようなことがあれば、首位通過の可能性も残されている。まずは、自分たちのプレーを再度見つめ、カナダ戦を制すこと。再び世界を獲るには、何をすべきか足元を見る必要がある。挑戦者としてリスタートを切ることができれば、ヤングなでしこたちは次なる高みへ進むことができるはずだ。その力は十分に兼ね備えている。

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