U-20W杯スペイン戦の敗戦は、ヤングなでしこ世界一のための授業料 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 そこで注目したい選手がいる。この試合で苦しめられた1人、ボランチの隅田だ。

「ミスマッチが出るかもしれない」──試合前、隅田はこう感じていた。スペインは中盤の下がり目に位置するパトリシア・ギハロを含む3枚に対して、ボランチ2人でケアをしなければならないという数的不利な状況が生まれることはわかっていた。トップの1枚を下げてコンパクトな守備を組み立てていくはずだった。ところが、あまりにもスペインのプレスが速いために、守備でハメ込む前にボールをキープすることができず、攻守において後手を踏むことになった。

 体の大きい相手に対する間合いは自主的に向き合ってきた。2013年、隅田は飛び級でU-19女子代表としてアジア予選を戦ったが、日本はU-20女子ワールドカップの出場権を獲得できずに4年間の空白が空いた。これが世界大会への渇望につながっていった。

「やっとここ(ワールドカップ)に来た」と、初戦では攻守に躍動したが、スペイン戦ではプレーを消されてしまった。日本が数的不利をカバーしようとした動きを逆手に取られる形で、日本の十八番である連係を断ち切られてしまった。

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