「本田、香川抜き」が成功のサウジ戦。
ひと安心のいま必要なことは?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 たいして強くなかったとの印象は、10月に引き分けたオーストラリアについても言える。「アジアのレベルは上がっていますから......」とは、ある選手のコメントだが、僕の目には上がっていないと見る。欧州に比べれば、相変わらず遅々としている。W杯本大会でベスト16に残るチームはひとつもない。そうした見立てが成り立つ。

 アジア予選は泥沼化した状態にある。その中で日本はどこにもスッキリ勝てていない。B組で4つどもえの展開を強いられている。来年には中東勢3チームとのアウェー戦が控えている。従来より数段低い突破確率で最終局面を迎えようとしている。ハラハラ、ドキドキ。エンタメ性満点ながら、明らかにそれはB級だ。本大会に出場してもアウトサイダー必至。右肩上がりにないことが白日のもとに晒されている状態だ。

 それをグイと上向きに、限りなくA級に近い期待感へと発展させるためには、大枚をはたいてA級監督を招くしかない。それしか方法がないと考える。最悪の事態を免れたいまこそ、それに安堵せず、協会には可能な限り前向きな姿勢を貫くことを期待したい。

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