「本田、香川抜き」が成功のサウジ戦。ひと安心のいま必要なことは? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 そもそもの原因は、サッカー協会の引き継ぎミスである。当時の会長、専務理事が協会を去ったことも輪を掛けた。ハリルホジッチに責任のすべてがあるわけではない。だが、優秀な監督なら気付いてしかるべき症状であったことも事実。最終予選、2018年ロシアW杯本大会へ向け、適切な青写真を描けなかったそのツケが、いまに回ってきているのだ。

「チームは9月までうまくいっていた。海外組がこれほど出場機会を減らすとは想像できなかった」と述べるハリルホジッチだが、これは読み間違いを証明する言葉になる。

 サウジ戦を機に、監督の読みは正されるのか。それに相応しいドラスティックな対策は取れるのか。正直言って不安が残る。新監督を求めたくなる一番の理由になる。この機を真の転換点にしたいのなら、英断を下すべきだと思う。

 それはさておき、サウジは思ったほど強くなかった。調子が悪かったのか、実力を出し切れなかったのか、不運なPKを取られたことでリズムを狂わせたのか、定かではないが、そのサウジに対して2-1だったという事実にも、僕は満足することができない。最後に奪われた1点の意味は大きい。しかも、やられた感のあるパンチ力満点のゴール。アウェー戦に影響する大きな失点だと思う。

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