香川真司、最大のピンチ。ドルトムントに続いて代表でも薄まる存在感 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 負傷していることは間違いのだろう。だが現地では、負傷の状況がはっきりしないこともあり、香川がチャンスをつかめない、つまりパフォーマンスが低下しているというスタンスで報じられることが増えてきた。もちろん、冬の移籍マーケットをにらんでの記事、ということになる。

 今回、代表に合流してからの状況はドルトムントでのそれと似ている。本人は「できる」と言うが、試合では使われていないのだ。

 フレンドリーマッチでは、これまでも温存されることはあった。だが、今は代表チームそのものの停滞する流れを打破するために、世代交代が求められている。大迫勇也が2得点し、清武弘嗣が2列目で存在感を発揮したことを考えると、過去の単なる温存とは少々、事情が違う。彼らは香川と同世代とはいえ、代表での主力の座をこれから奪いにいく選手たち。いわば追い上げられる立場の香川は、文字通りうかうかしていられなくなった。

 もしサウジアラビア戦で出場機会があれば、台頭する新戦力とは違う、10番の存在感をはっきりと示す必要がある。停滞モードの日本代表にとっても、その主役のはずの香川にとっても、試される一戦になる。

■サッカー代表記事一覧>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る