ハリルホジッチよ、オマーン戦は「大迫×岡崎の2トップ」を試してくれ (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 近年の日本代表では、4-2-3-1が主戦システムとして採用されてきた。明確な2トップを採ったのは、オシムジャパンで高原直泰と巻誠一郎が2トップを組んでいた2007年までさかのぼらなければならない。ザックジャパンで本田圭佑と中村憲剛が前線に並ぶ変則2トップが採用されたこともあったが、その実、ゼロトップのようなものだった。

 4-2-3-1が採用されてきた理由のひとつとして、中盤に揃う豊富なタレントをなるべく多く起用したい、という狙いがあった。その最たる例がザックジャパンで、1トップを務めた前田遼一や柿谷曜一朗には、2列目の本田や香川真司、清武弘嗣や岡崎慎司を生かすことが求められた。

 ハリルジャパンには中盤のパスワークを強みとする狙いはなく、だからこそ、サイドハーフを1列上げた3トップ気味の布陣を採用しているのだろうが、いずれにしても2トップではない。前線の中央はセンターフォワードひとりという点に違いはなく、屈強なふたりの相手センターバックから厳しいマークを受ける可能性が高い。

 レスター・シティで昨季、FWジェイミー・バーディーとコンビを組んだ岡崎は、清水エスパルス時代以来となる2トップでのプレーに、「センターフォワードの周りを衛星的に動く、という自分の持ち味を発揮できる」と手応えを感じていた。大迫も好調の理由について、「今季は2トップの一角として出場できているから」と語っている。だとすれば、ハリルジャパンでも2トップを試してみるべきだろう。

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