漂流するハリルジャパン。
サウジを圧倒するイメージがわいてこない

  • text by Sportiva photo by Fujita Masato

 にもかかわらず、原口小林悠は、相手のサイドバックが上がってくると一緒に下がってしまった。高い位置を保っていたら、相手のサイドバックはそう上がってこないんですよ。小林は攻撃で貢献できなかったけど守備で貢献したと言うけど、僕から言わせたら、小林を上に残しておいたほうがよかった。駆け引きをやった上で、相手のサイドバックが優秀だったから引いたのだったらいいんだけど、勝手に引いちゃった。それは岡田ジャパンのパラグアイ戦と一緒でした。大久保嘉人と松井大輔が完全に相手のサイドバックと一緒にベッタリ下がっちゃった。穴はなくなっているから、失点は食わない可能性は高いけど、「そのサッカーってどうなの?」という話です。

浅田 たぶん、みんながそう思ったから、「このサッカーじゃダメだ」と舵を切ったはずなんですけどね。さらにもっと根本的な話をすると、例えば高校サッカーを見ていても、高校選手権に出てくる高校は今、8割方「僕たちのサッカーはしっかりパスをつないで攻撃を組み立てるサッカーです」と言うわけですよ。そこを目標にしてみんなやっている。それがいいか悪いかは分からないけど、そういう現実がある。その積み上げていった頂点の代表チームに、「僕らはちょっと駒が足りないんで守ります」と言われたら、「いやいや」と思わないのかな、と。別にセンチメンタルになるわけじゃないですけど、あまりにも夢がないと思うんです。
(つづく)

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