漂流するハリルジャパン。
サウジを圧倒するイメージがわいてこない

  • text by Sportiva photo by Fujita Masato

浅田 割り切って、守るなら徹底して守るみたいなこともやるチームですが、これまでUAE、イラクという中東の2チームが日本のホームでどういう戦い方をしたのかと考えると、じゃあサウジアラビアだけ急に引くということはちょっと考えにくいかもしれない。

杉山 実力的には明らかにUAEとイラクより、少なくともイラクよりは絶対に強い。ひとりひとりの選手の質が、イラクより何パーセントかいい。

浅田 身長はそんなにないけど、スピードはあるし。

杉山 10番のナワフ・アラービドは結構、テクニックがありますよ。現代的なテクニックがある選手がひとりいるとだいぶ違う。最近、日本にはああいう選手がいないし。

浅田 ひとつ横ばいのドリブルをしてからスルーパスを出すみたいな、しゃれたこともできます。

杉山 いなされちゃうと、日本は嫌だよね。UAE戦がそうだったのですが、日本の選手は自分たちのことをうまいと思っているんですよ。うまいと思っている人が、そうでもないと思っていた人に小じゃれたことをされると、お手上げになることがあります。じゃあプレッシングをかけてボールを取りにいくかといったら、そういう気力さえ失う。「こんなはずじゃなかった」という気持ちがどんどん広がっていって、「あれっ」という感じでペースを握られる。日本が自ら崩れていくパターンです。

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