課題だらけでも、U-19日本代表が初のアジア王者になった意味 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 チームを率いる内山篤監督も「正直なところ、うまくいかなかった」と試合を振り返り、こう続ける。

「サウジの前線の選手は、今までの中東の選手とは違って身体能力が高く、少しアフリカがかっている。あれくらいの能力があると、一回ではボールが奪えないので、連続して奪いにいかなければいけないが、一発で飛び込んでかわされたり、入れ替わられたりした。しっかり対応しなきゃいけないところでやられていた」

 ところが、サウジアラビアがビッグチャンスをことごとく外してくれるのだから、サッカーは面白く、そして難しい。

 最後のPK戦にしてもそうだった。勝敗を分けたサウジアラビアのPK失敗は、GKがセーブしたものではなく、相手のキックが大きく枠外に外れたものだ。

 ちょっと神がかっていた。下手をすれば、0-3くらいで負けていてもおかしくない内容である。日本がもっと勝利に値する内容の試合をした決勝は、過去にいくつもあった。

 にもかかわらず、最終的にPK戦決着とはいえ、勝利にまでつながるのだから、勝負とはわからないものだ。どうやっても手にできなかった初優勝が、こんな形で転がり込んでこようとは。

 もちろん、決勝を見れば明らかなように、課題は多い。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る