課題だらけでも、U-19日本代表が初のアジア王者になった意味 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

「今日のゲームは、自分たちが意図した展開ではなかった。相手にロングボールを蹴られてセカンドボールを拾えず、ズルズル下がってしまった。でも、こういう我慢しなければいけない時間は絶対にある。みんな我慢して、チームのために走ってくれた。それが結果につながった。今日は結果(が重要)だったので、すごくよかった」

 坂井の言葉にも含まれているように、試合内容に目を向ければ、優勢だったのは明らかにサウジアラビアのほうだ。日本はほとんど攻撃の形を作れず、90分間で見ても、120分間で見ても、終始防戦を強いられた。

 今大会、攻撃の中心として前線で奮闘したFW小川航基(ジュビロ磐田)も「押し込まれる時間が相当続いた。2トップが一回ボールを収めて、自分たちの時間を作ることが必要だったが、それができず、相手に押し込まれる時間が増えてしまった」と振り返る。

 それでも、日本が盤石の守備でサウジアラビアの攻撃をはね返し続けていたのなら、大きな問題はない。今回のチームの持ち味は、ふたりのセンターバック、DF中山雄太(柏レイソル)、DF冨安健洋(アビスパ福岡)を中心とした堅守。本来であれば、攻められながらも、日本が特徴を生かして試合を進めていた、と言ってもいいだろう。

 だが、実際はそうではなかった。日本の守備はかなり後手を踏むことが多かった。試合開始2分にして相手のシュートがポストに当たったのをはじめ、サウジアラビアには少なくとも4度は決定機と呼べるチャンスがあった。

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