日本、U-20W杯へ。5大会ぶりにアジアの壁を突破できた要因は? (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 早々にリードを奪った日本は結局、過去4大会苦杯をなめさせられ続けてきた"鬼門"の準々決勝を、拍子抜けするほどの楽勝で悠々と突破した。

 確かに、勝負の準々決勝は楽勝だった。決勝トーナメントの組み合わせ全体を見ても、日本とは逆の山に強豪国が集まった。日本が負け続けてきた過去の準々決勝と比較すれば、とりわけ今大会は対戦相手に恵まれた感が否めない。その意味で言えば、日本は運もよかった。

 しかしその一方で、グループリーグはかなり厳しい対戦を強いられた。イエメンはともかく、イランは過去の大会でことごとく苦戦させられてきた相手であり、カタールは前回王者。今大会の最激戦区と言ってもいいグループを首位通過した事実を忘れてはならない。日本に次いで2位通過したイランもまた、ベスト4進出を果たしたことも、このグループのレベルの高さを裏づける。それらを無視して、今回の日本の勝ち上がりの理由を「巡り合わせのよさ」や「幸運」だけに求めてしまうのは、フェアではないだろう。

 実際、内山監督も「今大会のターニングポイントはカタール戦だった」と振り返り、こう語る。

「一番プレッシャーがかかった試合は、おそらくカタール戦。最初の1、2戦はサッカーに戦術的な問題があって、なかなか点が取れなかったなかで、カタール戦は(負けはもちろん、0-0、1-1の引き分けも許されず)点を取らなければいけなかった」

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