吉田麻也が「新しいサッカー」と語るハリルホジッチ流に未来はあるか (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 ただ、現実的には「つないで崩す」というイメージや連係が整っていないのだろう。ある程度メンバーを固定して、戦術と連係をしっかりと深めていった前回とは異なり、ハリルホジッチ監督は相手によって、戦術も、選手も変えていることが、その一因でもある。

「"新しいサッカー"かな、と。監督が、ホームとアウェーで結構戦い方を変えるのは。これは、今までの僕らの、アジアの戦いの中ではなかったこと。これが今後、強いチームと戦うときに重要になってくるんじゃないかと思います」

 これまで日本は、アジアでは自分たちのサッカーを押し通して勝ってきた。押し込まれて守勢に回ることもあったが、戦術的に引いて守る、あるいは対戦相手によって戦い方を変えることなどしてこなかった。それは、高い個人能力をはじめ、総合力でアジアの中では勝っていたからだ。

 しかし現状は、もはやアジアの戦いにおける日本の優位性は感じられない。だが、吉田は「力は落ちていない」と言う。ならば、何がチームの状況を困難にし、自分たちのサッカーができない要因になっているのか。

「以前と一番異なるのは、僕らが所属しているチームが違うということ。4年前、僕はフェンロ(オランダ)にいたけど、今はサウサンプトン(イングランド)でプレーしている。みんな、最初は小さなクラブからスタートして、今やそこからステップアップして、より高いレベルのチームでチャレンジしている状況にある。そういう中で、予選を戦っている。

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