2016.10.20

「満点に近い」。スペインサッカーの重鎮が
豪州戦の日本を絶賛するわけ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 日本はタクティクスで優っていた。ところが後半52分だった。原口がトミ・ユリッチを倒し、PKを与えて同点にされてしまう。

「PKの前に、右SBの酒井高徳が不用意にボールを取りに行ってしまった。これは私に言わせれば、守備者としての原則を破っている。『最後尾のディフェンスは、前線から2人目にいるアタッカーに対し、チャレンジしてはいけない』という鉄則がある。もしチャレンジして自分が空けたポジションを他の選手に使われたら、為す術がないからだ。プレーを遅らせる(他の選手に守らせる)が正解だった。プレーに熱くなると、罠に陥りやすい」

 エチャリは一貫して、透徹した意見を口にする。

「同点にされてからも試合の様相は変わらなかった。日本は敵にボールを持たせ、カウンターで決定機を作っている。交代出場した浅野拓磨は、原口の左からの千載一遇のクロスに合わせられなかった。浅野はスピードを過信しているのか、タイミングが悪い。カウンターチャンスで2度もオフサイドにかかっており、決定的な仕事をするには選手として未熟だろう」

 中立的立場で、一流の見識を持つ人物の意見は興味深い。その意見には、しがらみや好き嫌いがないからだ。