4年前とは激変。本田圭佑のコメントで日本の「劣化」がよくわかる (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 オーストラリアのビルドアップは、残念ながらかなり拙(つたな)く、特に前半は日本の守備網に引っかかることがほとんどだったが、それでも愚直に自分たちの現在のスタイルにこだわり続けた。

 つまり、試合に臨む姿勢に関して言えば、4年の歳月を経て、両者の立場は完全に入れ替わっていた。

 日本はボールポゼッションでオーストラリアを圧倒する以前に、端からその可能性を捨てて試合に臨んだ。「相手に(ボールを)回させてからのカウンターというのは、はっきりさせていた」(長谷部)というより、今の日本代表ではそうせざるをえなかったというのが、現実なのだろう。そうでなければ、再びイラク戦のような酷い試合になっていたかもしれない。

 日本が守勢に回った試合を振り返り、本田はこう語る。

「前半は(オーストラリアに)"支配させる"という感覚だったが、後半は"支配される"に変わった。これは大きな課題」

 確かに後半に入ると、さすがのオーストラリアもパスのテンポが上がった。日本は自陣奥深くまで攻め込まれることが多くなり、明らかにピンチの数が増えた。日本は「守ってカウンター」がゲームプランだったにしても、余裕を持って狙いどおりの戦術を遂行できていたわけでないことは、本田の言葉からもわかる。

オーストラリア戦では1トップを務めた本田圭佑オーストラリア戦では1トップを務めた本田圭佑

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