2016.10.12

本田圭佑1トップでハリルホジッチ延命。
勝ち点1の代償は高くつく

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 僕が不満に感じるのは、この限りなく沈滞したムードだ。オーストラリアにアウェーで引き分けても、それは少しも払拭されていない。期待感が抱けるようなサッカーに変身したわけでは全くない。むしろ不安をため込む結果になった。

 勝利は勝ち点3。引き分けは1。負けは0。引き分けと負けの間に勝ち点差は1しかない。だが、この勝ち点1でハリルホジッチのクビはつながった。だとすれば、暴論を承知で言えば、僕は0の方がよかったとさえ言いたくなる。監督が代わり、その結果、沈滞したムードに終止符が打たれるなら、安い代償だ。そちらの方が大歓迎。ハリルホジッチが監督をしている限り、流れが変わることはないと主張したい。

 オーストラリア戦。引き分けることができた理由は、岡崎慎司の欠場と大きな関係があった。ケガに病気も加わったという話だが、その産物として生まれたのが、本田圭佑の1トップだ。いつ以来だろうか。ハリルジャパンでは初だと思う。ザックジャパン時代でも数えるほど。これは2010年南アフリカW杯本大会を戦った岡田ジャパン時代の作戦だ。

 南アW杯本大会の1年近く前から僕が主張してきた考えでもあったので、特別な感情を抱きたくなる作戦でもあるのだが、いま本田がそこに座るメリットが、オーストラリア戦ではいかんなく発揮されていた。