元ヤングなでしこ田中陽子の目に涙。ノジマステラが悲願の2部優勝 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 キックオフに合わせるかのように本降りだった雨が上がり、運命の一戦が始まった。立ち上がりから気負いが硬さとなり、ボールをキープするものの、決定機を生み出すことができないノジマステラ。対するはセレッソ大阪堺レディース。先発平均17.4歳という若いチームではあるが、ノジマステラに引けを取らない地力がある。

 現在、ヨルダンで開催されているFIFA U-17女子ワールドカップにC大阪堺は、宝田沙織、野島咲良、脇阪麗奈、北村菜々美の主要メンバー4名が招集されている。苦しい台所事情を抱えていたが、前半はそんなハンディを微塵も感じさせないプレーを披露した。

 球際の強さ、寄せのスピード、奪いどころの判断......ノジマステラは完全に食われていた。相手にボールを"持たせる"かのような余裕すら感じさせるC大阪堺は34分、林穂之香からパスを受けた玉櫻ことのが、バーに当てながらゴール右上に叩き込んで先制点を生むと、なお一層のプレッシャーがノジマステラにかかってきた。

 後がなくなったノジマステラ。ハーフタイムに今シーズンから10番を受け継いだ吉見夏稀が口を開いた。

「いつもあと一歩のところで逃してきた。もう逃したくない。勝ちたい!」

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