ハリルホジッチよ、2日前合流の本田と長友はベンチに回せ (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 現在と同じように、欧州組中心のチームづくりを進めていたジーコ監督は2005年2月、最終予選初戦の北朝鮮戦で不動のレギュラーだったMF中村俊輔(当時・レッジーナ)とFW高原直泰(当時・ハンブルガーSV)をサブに回している。だが、そこに「スタメン落ち」というマイナスのイメージはなかった。コンディションを考慮し、彼らではなく国内組であるMF小笠原満男(当時・鹿島)とFW鈴木隆行(当時・鹿島)を先発起用したうえで、彼らをジョーカーとして投入するプランがあったからだ。

 10月6日のイラク戦でも、試合が膠着状態に陥れば、そのときは本田を途中から送り出せばいい。本田ならベンチからピッチサイドに歩み寄るだけで、スタジアムの雰囲気を一変させることができる。その稀有な存在感は、ジョーカーとしてふさわしい。

 本音を言えば、イラク戦の2日前にしか帰国できない本田と長友には、イラク戦を回避させ、オーストラリア(10月11日/メルボルン)との第4戦に備えてヨーロッパから直接、オーストラリア入りさせてもいいとすら思う。

 そのほうが移動の負荷が抑えられるし、先乗りさせたチームスタッフとともにコンディション調整と時差ボケ解消に取り組めば、万全とは言えないまでも、よりよい状態でオーストラリア戦に臨めるからだ。そのほうが彼らのためにも、チームのためにもなるだろう。

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