「海外組優先」を公言したハリルジャパンで、未来に希望は持てるのか (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 今回のメンバー発表で最大の焦点となったのは、これまで代表チームの主軸を担ってきた多くのメンバーが、現在各所属クラブにおいて出場機会を失っている点にあった。以前、ハリルホジッチ監督自らが、「所属クラブで試合に出場していない選手にチャンスはない」と公言していたからだ。

 しかし、いざ蓋を開けてみれば、ハリルホジッチ監督はこれまでとほぼ同じメンバーを招集。それだけなら驚きとは言えなかったが、今回のメンバーを招集した理由と背景を説明しているときのコメントには驚かされた。

「15人ほど海外組がいて、(各所属クラブの試合で)先発で出ていない選手がいる。普通の基準ならば呼べない。しかし、川島(永嗣)、長友(佑都)、吉田(麻也)、長谷部(誠)、香川(真司)、清武(弘嗣)、本田(圭佑)、岡崎(慎司)、宇佐美(貴史)、武藤(嘉紀)を外せば、誰が代わりに出るのか。かなり難しい。だから、このような選択をしなければいけなかった」

 さらに質疑応答では、ヨーロッパサッカーの優位性とJリーグのレベルについても言及。これまでも同じような発言は何度かあったが、ここまで自身の考えを明確かつ強く公にしたのは初めてのことだった。

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