スペインの知将がW杯予選の日本を分析。「心配する必要はない」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

「UAE戦、日本は序盤から優勢に戦っていた。サイドを変えながら深くえぐっており、数多くの好機も作っている。ゴールにはならなかったが、敵ディフェンダーを圧倒していたのは間違いない。本田圭佑はFKをヘディングで叩き込んだが、他に少なくとも3度は決定機を迎えていた」

 日本の攻撃がUAEを苦しめていたことを、エチャリは真っ先に評価する。

「しかし、両サイドの本田、清武弘嗣が中に入ってきてしまい、中が渋滞を起こしていたのも事実だ。解決策としては、トップ下の香川真司がサイドに流れるというのが一つにある。だが、そこはサイドバックがすでにスペースを埋めており、出口がない状況だった。サイドバックの攻め上がりのタイミングが早すぎて、相手のディフェンダーを守りやすくしていた。結果として次第に、攻撃の動きが少なくなっていった」

 ミスター・パーフェクトは、攻撃の単調さが試合を厳しくした状況を解析する。

「選手たちのアイデアそのものは悪くなかったと思う。バイタルエリアでは数的優位で圧倒し、エリア外の選手たちもポジション的優位に配慮していた。しかし中央の狭いスペースに集まりすぎ、ピッチで深みを作ることができなかった。とりわけ香川はスモールスペースでの壁パスにこだわりすぎていた。バックラインの目の前の一番狙われる場所で、次の一手が読まれてしまっていたのだ。

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