長谷部誠が感じたハリルJの完成度「過去と比較して語るのは難しい」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 敗戦のエクスキューズを挙げるとすれば、準備期間の差がある。UAEはスペインで1カ月半の合宿をこなして、その後は中国で時差調整をして来日。日本の戦い方や選手の特徴をしっかりインプットして、万全の準備を整えて乗り込んできた。彼らが見せた、不気味なほど落ち着き払ったプレーは、そうした準備によって確固たる自信を得ていたからだろう。翻(ひるがえ)って、日本はわずか数日しか準備期間がなかった。

「その差は、う~ん......。まあ、選手によってコンディションにばらつきはあったと思います。特に欧州でプレーしている選手は、シーズンが始まったばかりで、試合に出ていない選手もいれば、コンディションが出来上がっていない選手もいた。でも、それを言い訳にしてしまうと、準備期間が短いと勝てない、ということになってしまう。今回負けたのはそういうことではなく、小さな部分でのミスとか、自分たちの甘さが出てしまったからだと思います」

 長谷部の言う「自分たちの甘さ」というのは、このチームのレギュラー選手はこれまで長く一緒にプレーしていて、お互いに理解し合っているので、特にあれこれ言わなくてもやってくれるだろう、という"甘え"だったのではないだろうか。

 その指摘に長谷部は、「それは、どうですかねぇ......」と苦笑いして、答えを濁した。

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