長谷部誠と本田圭佑。タイ戦でハッキリ見えた日本の「修正ポイント」 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORTS

 タイ戦でも前戦UAE戦に続き、何本かミスパスをしている。それが、PKによる逆転ゴールに繋がったUAE戦のような最悪な事態には陥らなかったが、日本の流れにブレーキを踏んだことは確かだった。

 長谷部は32歳。ロシアW杯本大会時には34歳になっている。高齢によるパフォーマンスの低下を補ってあまりある何かがあるのなら、存在する理由は生まれるが、キャプテンシーという抽象的な言葉しか魅力が見つからないのであれば、交代の時期にきていると見る。スタメンを張り続けるキャプテンにミスが多ければ、チームに真のまとまりは生まれない。これが繰り返されれば、チームのムードはどんどん悪くなる。

 長谷部と本田。2人は日本代表の象徴として活躍してきた大物だ。メディア的にも何かを言い出しにくい相手になる。大島僚太を簡単に戦犯扱いすることはできる。鹿島の監督とのトラブルで代表から外されることになったとされる金崎夢生も然り。こう言っては何だが、小物はわりと簡単に叩くことができる。叩く側のリスクは低い。

 リスクが大きいのは大物だ。本田と長谷部とメディアの関係に、権力者を叩けない政治関係の世界を垣間見る気もするが、そのあたりにしがらみのないはずの代表監督まで、彼らを特別扱いするならば、代表を取り巻く社会は不健全な方向に進む。

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