「残り全部勝つ」という落とし穴。ハリルジャパン自滅の不安とは? (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 UAE戦は、アジア勢とのホームゲームでよくあるように、ベタ引きする相手を攻めあぐんだわけではない。リードを奪った後半はともかく、それまでの時間帯では、UAEはラインを高く保って攻撃を仕掛けてきた。

 そんなUAEに対して日本はパスをつながれ、何度かチャンスを与えてしまった。シュート数は、日本の22本に対してUAEは9本。ボール支配率も、日本の64%に対してUAEは36%だったが、日本の決定的なチャンスは5回ぐらいしかなかった。

「我々は日本代表をずっとフォローしてきたし、2011年のアジアカップのパフォーマンス(日本が優勝を飾ったカタール大会)も見ているが、今日は最悪な状況に見えた」

 試合後の会見では、外国人記者からこんな質問が飛んだ。また、内弁慶の傾向が強い中東のチームであるUAEに、日本のホームゲームで真っ向勝負を挑まれたという事実からも、日本代表のチーム力が衰えてきているという現実が浮かびあがる。

 一方、タイはUAE同様、近年メキメキと力をつけているチームだ。

 アウェーで迎えた最終予選初戦のサウジアラビア戦では0−1で敗れたが、内容は互角以上。30分にはペナルティエリア内で受けたファウルがエリア外と判定されてPKを見逃され、終盤には微妙な判定で逆にPKを宣告され、決勝点を奪われてしまった。

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