ドイツでMOM、原口元気の本音。代表でも「もっと前で勝負したい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 厳しい天候の中での試合だっただけに、試合後の原口は「勝ってよかった」と子供のような笑顔を見せた。「脚の全部の筋肉がつった」と笑い、「これで勝たなかったら、がっかりしてたと思う」と安堵した。

 とはいえ、自分自身のプレーに対しては少々不満が残った。

「今年はアシストの前じゃなくて、アシストなのかゴールを決めるのか。もう一個前で仕事をしたい」

 攻撃の選手として、本来の自分の役割を果たしたい。そのためには多少のエゴを出すことも厭わない覚悟がある。

「まず今季の1点目を取ることが大事なので。去年はチームが勝てばいいとか、チームのためにという気持ちが強かったですけど、今年は毎試合点を取るつもりで形、数字を出していかないと、今年はポジション争いが激しいかので」

 チームの中では運動量が多く、器用で視野も広い原口は、複数のポジションで遜色ないプレーができる。だからこそ、日本人にありがちではあるが、チームに貢献はできても、自分が本当にやりたい仕事からは遠くなることが多い。もちろんその中で立ち位置を確立していくケースもあり、昨季の原口もそうだった。だが、今年は違う1年にしたいという気持ちがある。

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