CB、GK、本田圭佑...。UAE戦の日本は「ピッチ上の問題」が噴出 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

 最終ラインの2人(吉田麻也、森重真人)は、とりわけ欺されやすいタイプに見える。その不安定さは、ビルドアップの歯切れの悪いモサッとした球出しにも、端的に反映されていた。だが、彼らを超える選手は、日本にそう多くいない。

 ポジション的にはここが日本の一番の弱点になる。フィールドプレーヤーに関しては。

 しかし、日本最大の弱点はやはりGKだ。前半20分の同点シーン。右上隅に飛んだアハメド・ハリルのシュートは、確かに切れ味鋭い鮮やかなキックだった。しかし、ユーロ2016で20数試合を取材してきたこちらの目には、その瞬間、GKがセーブし、弾き出す絵がオーバーラップした。欧州のトップレベルのGKなら、おそらく止めることができていた。西川周作の指先を抜けていく弾道を見ながら、そう思わざるを得なかった。

 GKの活躍に救われる試合の割合が低い国。高身長国出身のハリルホジッチには、この低身長国の現実が、さぞ歯がゆく映っているに違いない。

 様々な問題を噴出させた日本。試合後、田嶋幸三サッカー協会会長自ら、判定について抗議を辞さない構えであることを強調した。だが絶対に覆らない問題にエネルギーを注ぐあまり、改善可能なピッチ上の問題に目を背けると、この1敗は2敗目への呼び水になるような気がして仕方がない。

 まだまだ足もとをすくわれそうな気配の日本。危うい気がする。

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