日本サッカー界にとって五輪ほど「オイシイ」大会はない (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 だが、見方を変えれば、W杯ではグループリーグ突破が現実的な目標になるような国、たとえば、ホンジュラス、韓国、日本といった国がベスト4まで進出できてしまう大会なのである。つまり、日本にもメダル獲得の可能性は十分にあるということだ。

 しかも、日本での五輪への関心度は極めて高い。そこでメダルを獲得できれば選手はもちろん、競技に対する注目度も間違いなく上がる。五輪でメダルを獲ることは、W杯で3位に入るよりもはるかにハードルが低いにもかかわらず、注目を集める効果は、W杯並みとまでは言わないまでも、相当に大きい。

 要するに、日本サッカー界にとっては、五輪はレベルの割に注目度が高い、"狙い目"の大会なのである。

 U-23世代はA代表と違い、ほとんどがJクラブ所属の選手であり、もしもメダルを獲得できれば、人気低迷が心配されるJリーグへの関心を高めることにもつながるだろう。

 もちろん、その効果は単に人気アップだけにとどまらない。当然、国際大会を勝ち上がる経験は、選手の成長にとっても大きな後押しとなる。あっさりとグループリーグ3試合で負けて帰ってくるのとでは得られる経験は大きく異なるはずだ。

 だとすれば、もう少し五輪に対して本腰を入れて強化してもいいのではないだろうか。

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