2016.08.23

日本サッカー界にとって
五輪ほど「オイシイ」大会はない

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 どちらのチームもイージーミスが目立ち、ボールはブラジルとドイツの間を行ったり来たり。結果としてオープンな打ち合いになったため、見ている観客にとってはハラハラドキドキの面白い試合だったかもしれないが、U-23世代の世界一を決める試合としては、少なからずガッカリするところがあったのも確かだ。

 それは、決して決勝だけのことではない。

 大会全体を通じて、内容的に物足りない試合が多く、際立った活躍を見せる選手もほとんどいなかった。

 出場各国がベストメンバーを集めるのに苦労し、十分な準備期間もないまま大会に入らなければならない。事実上、五輪本大会のためだけに編成している急造チームがほとんどでは、内容を求めるのは無理な話なのかもしれない。

 そもそも予選方式からして、大陸連盟ごとに対応がバラバラ。4年間の集大成として五輪にすべてをかける他競技に比べ、残念ながらサッカー界では、五輪に対する熱はかなり低い。

 サッカーにおける五輪は、基本的にU-17、U-20それぞれのW杯と並ぶ、年代別世界大会のひとつと考えていい。年齢制限を受けないオーバーエイジの選手を3人まで加えることができるものの、ベースは23歳以下の世界大会である。

 ただし、その実態は試合内容からもわかるように、各国からかなり軽視されているのが現状だ。今後、その姿勢が急激に変化するとは考えにくく、むしろ軽視傾向は、望むと望まざるとにかかわらず、強まってさえいる。