五輪のOA枠。サッカー協会はその選考責任から逃げてはいけない (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 そうなると、23歳以下の選手だけでチームを構成するのは難しく、やはりオーバーエイジ枠をうまく活用することが、結果につなげるいい方法ということになるのかもしれない。

 日本の場合、五輪開催の2年ほど前にU-21代表が立ち上げられ、本番まで2年をかけてチームが固められていくせいか、五輪を前にするとたいてい「オーバーエイジを使うべきか否か」が議論の対象となる。

 五輪が「23歳以下+オーバーエイジ3人」の大会になって以来、日本はすでに6度も五輪に出場しているというのに、いまだに毎回のようにこのことが問題となるのである。

 概ね議論を集約すれば、オーバーエイジを使って最強チームを編成すべきとする「結果重視」と、オーバーエイジを使わず23歳以下だけで臨むべきとする「経験重視」ということになるだろう。

 だが、本来はどちらを重視するにせよ、オーバーエイジを使わないという選択は絶対にありえない。"結果的に"23歳以下の選手だけしか選ばれなかった、ということは起こりうるが、活用できるルールをはなから使わないという判断は、あまりにもナンセンスだ。

 経験の少ない若い選手を優先して国際舞台を踏ませるべきだという考えはありだとして、なぜその対象を23歳以下に限らなければならないのだろうか。

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