矢島慎也が語る、リオ五輪で痛感した「日本と世界の差」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 2014年、チーム立ち上げのときからメンバーに招集されていた矢島。その分、このチームへの愛着は強い。目標とする決勝トーナメント進出、メダル獲得には届かなかったが、この2年間で得られたものは多く、このチームにいたからこそ、成長した部分もあったのではないだろうか。

「19歳のときから年代別の代表に呼ばれるようになったけど、それまではずっと負け続けてきた。でも、五輪代表では最終予選でアジアの頂点に立った。自分がその一員だったということは、自分のサッカー人生の中でも一番の出来事だと思う。このチームは、すごくまとまりのあるチームで、もっと勝ち続けて上まで行きたかった。そういう意味では、本当に残念です。

 Jリーグではなかなかこういう経験はできない。ここで経験したことは忘れないようにしたい。五輪に出たということだけじゃなく、(五輪代表での経験を)自分の財産にして、これからさらに這い上がっていきたい」

 コロンビア戦で先発を果たし、ナイジェリア戦、スウェーデン戦でも途中からピッチに立って、3試合すべてに出場した矢島。世界を驚かすまでには至らなかったが、小さな爪あとぐらいは残せたのではないか。矢島も、そして他の選手も、この経験を無駄にすることなく、今後のさらなる飛躍につなげていくことを期待したい。

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