矢島慎也が語る、
リオ五輪で痛感した「日本と世界の差」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • photo by JMPA

 トゥーロン国際大会でも世界の強さを知った。それゆえ、ナイジェリアのフィジカルを生かしたプレーや、コロンビアの抜け目ないプレーも想定はしていた。だが、真剣勝負の国際舞台において、それらは想定以上のものだった。

「ナイジェリアは、自分たちが組織的な守備で、意図的にハメていってボールを奪おうとしても、フィジカルの強さで(守備ブロックを)はがしてくる。簡単にキープされていたし、そこからの展開でやられることも多かった。"球際"と言うとありきたりですけど、日本はその球際でどうやって体を入れていくのかとか、そういう部分をもっと考えていかないといけない。そういう面も含めて、大事な試合で結果を出す力がなかったと思います。

 あと、世界で上位にいくチームには隙がない。アジア最終予選でも自分たちは多くのピンチがあったけれども、相手のミスで助けられていた。でも世界では、ナイジェリアも、コロンビアもそうだけど、アジアでは外してくれるところを決めてくる。しかも(こちらが)ミスした隙は必ず突いてくる。その差をすごく感じました」

 決めるべきところを決め切れるかどうか。上に行くチームと日本とでは、確かにその差はあった。ナイジェリア戦でも、コロンビア戦でも、日本はかなりの決定機を得ながら、それを逃すことが多かった。

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