リオ五輪代表はよくやった。最大の敗因はサッカー協会の姿勢にある (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 ただし、称えられていいのは「このチーム」であって、「日本サッカー」、あるいは「日本サッカー協会」ではない。その点について、はき違えられては困る。

 もちろん、どんな強国であっても世代ごとに能力の当たり外れはある。すべての世代が常に右肩上がりで強くなっていくことなど不可能だ。

 だとしても、日本の現状はひどすぎる。1995年から2007年まで7大会続いたU-20W杯出場が2009年に途切れて以来、すでに4大会連続で出場権を逃している。U-17W杯にしても、2007年から2013年まで4大会連続で出場していたが、それも昨年途切れた。理由はともあれ、以前に比べて(特に国際経験という面で)育成年代の強化が軽視され、かつてやれていたことがやれなくなっているのは確かだ。

 2007年でU-20W杯の連続出場が途切れたときにあった悲壮感が、今ではすっかり消え失せた。負けが4大会も続けば、もはや痛みは感じない。現在の日本における若年層の国際経験不足は深刻な状況にあり、今回のリオ五輪にしても、その差が結果につながったと言ってもいい。

 キャップテンの遠藤が、「間違いなく自分たちにとっては成長した3試合だったが、世界を経験していない経験不足がこの大会で出た」と語っていたが、偽らざる本音だろう。

 はたして日本サッカー協会は、今回のリオ五輪の結果をどう受け止めるのだろうか。

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