リオ五輪代表はよくやった。最大の敗因はサッカー協会の姿勢にある (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 振り返ってみれば、今年1月のアジア最終予選(アジアU-23選手権)を前にしたころは、五輪本大会の出場は厳しいと見られていたチームである。実際、単純な実力の比較で言えば、日本はアジアの上位3カ国には入っていなかっただろう。

 ところが、最終予選が始まってみると、日本は初戦勝利をきっかけに快進撃を続け、見事に優勝。試合ごとに大きく選手を入れ替えるローテーション制を採ることによって、大会が進んでも疲労によって力を落とすことがなかった日本は、相対的に他国との実力差を縮め、望むべき結果を手にした。

 そんな五輪代表――アジアでさえ実力上位ではなかったチーム――が、五輪本大会出場を死守したばかりか、グループリーグ敗退とはいえ、1勝1敗1分けの結果を残したのである。彼らの実力を考えれば、むしろ上出来と言っていいのかもしれない。

 現在の五輪代表にはA代表を経験している選手が(オーバーエイジを除くと)遠藤のほか、MF南野拓実、MF大島僚太、FW浅野拓磨くらいしかおらず、しかも、彼らはいずれも主力とはなりえていない。要するに、リオ世代はお世辞にもタレントが豊富な世代とは言い難く、加えて、U-20W杯には出場できていないため、国際経験にも乏しい。そうした前提条件を踏まえるならば、このチームが残した結果は称えられていい。これ以上を望むのは無理があったのかもしれず、率直に言って、よくがんばったと思う。

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