南野拓実が語る五輪「得失点差-1で終わったことが必ず生きる」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 南野は、ナイジェリアの激しい当たりにも動じなかった。鍛え上げた肉体を駆使して、自分よりも大きな相手にも怯まず対峙し、ボールを奪った。日本のほとんどの選手はナイジェリアの身体能力の高さに戸惑いを隠せなかったが、オーストリアのザルツブルクでプレーする南野にとって、それは想定内のことだったのだ。

「13番のFWサディック・ウマルには、結構やられましたね。僕自身は(海外でプレーしているので)ナイジェリアの選手の足の長さとか、ヘディングの強さとか、身体能力の高さは想定できていましたが、ああいうタイプは日本にはいないですから......。それでチームとして、失点してへこむところがあったし、メンタルをやられてしまった面もあったけど、相手を恐れず、しっかりと抑えていけば、違う結果になったと思います。

 何より痛かったのは、後半立ち上がりのPKですね。でも4点取って、負けはしましたけど、最後は1点差まで迫って、得失点差-1で終えられた。それは、残り2試合で生きてくると思います」

 一度は3点もの差をつけられながら、途中出場のFW浅野拓磨と、FW鈴木武蔵がゴールを決めて1点差まで詰め寄った。それらのゴールを生かすためにも、次のコロンビア戦での勝利は不可欠である。

「次、負けたら終わり。まあ、追い込まれましたけど、逆に僕らはやるしかない。あと2試合、勝てないわけではないですし、ここで終わるわけにはいかない。自分たちを信じて、グループリーグを突破したいと思います」

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